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ギターアンプセンドリターン使い方・機能解説~説明動画・写真付き~

はいどーも!餃子の味にはこだわりのあるギター講師の野口です。

今回はアンプのセンドリターンについて書きたいと思います。
ギターレッスンの生徒からも質問が定期的にある事ですので、皆様の中にもセンドリターンについて実は知りたい方が多いのでは?
この機会に知っておきましょう!!

 

センドリターンって?

そもそも最初はこうなりますよね?実際はSEND(センド)端子とRETURN(リターン)端子という2つの役割を持った端子があります。これを総称してセンドリターン、センド&リターンと言ったりします。

 

アンプの背面にこの様な箇所があります。


又はこの様な
↓↓↓最近のアンプにはどれも搭載されてる物が殆どですので、設置されている場所はアンプの機種によって多少違いますが、大体はこの様に背面にある事が殆どですのでチェックしてみて下さい。

センドリターンの機能は?

これはアンプの構造から説明しますので、しっかり把握しておきましょう。まずアンプとは音を出力する際にプリ部とパワー部を通って出力されます。アンプのプリセクション~パワーセクションの作りや信号の流れの説明はこちらから

 

つまりはアンプのプリ部分とパワー部分を分けて考えてそこに何かしらの機能を加えて使う部分です。別名としてはエフェクトループとも言われます。機種によりFXループという表記をされてるものもあります。

 

ですので信号の経路として外部のエフェクターにSEND(送る)からアンプ側にRETURN(戻す)を作り出す機能になります。

ここは間違えて欲しくないのでアンプの中の信号の流れを書いておきます。

ギター

アンププリ部入り口

センド(プリ部出口)

リターン(パワー部入り口)

アンプパワー部出口

スピーカー

このような信号で流れていきます。

ここのセンド、リターン部分の間に各エフェクターを入れて信号をおくる形になります。

センドリターンとダイレクト(直挿し)はどう違う?

 

 

引用https://youtu.be/48T9f4nlxxQ

まずはエフェクターの効き方(乗り方)が違います。特に空間系と言われるものを繋ぐ際に効果が分かりやすいと思います。

一例としてギターソロの際アンプで作ったディストーションサウンドに対してディレイ等を掛けると直挿しの繋げ方の場合はディストーションサウンドがディレイの後に来てしまうので、所謂クリアなディレイ音ではなく歪の乗った濁った音で出力されてきますので、本来はきれいに広がっていくディレイ音や残響感がエフェクトのミックス量次第では却って逆効果になってきます。

 

ギター⇒ディレイ⇒アンプ(ディストーションサウンド)

この場合だとディレイ音をそのまま歪ませているのがわかりますね

対してセンドリターンを使用して繋ぐとディストーションサウンドの後の部分に綺麗にディレイ音がかかるようになります。これは他の空間系を使用する際にも掛けたい音の信号の順番を整理してみるといいでしょう。

 

ギター⇒アンプ(ディストーションサウンド)⇒センド(ディレイ)⇒リターン⇒アンプ(パワー部)⇒スピーカー

 

場合によりけりですが私自身は基本的にはディレイ音はクリアに保ちたいのでセンドリターンを使用することが多いです。

 

人によっては空間系の掛りが派手に聞こえる分敢えて直挿しする方もいるようなのですが、試す際はサウンドの明確な変化を体感する事になりますのでセンドリターンを使用した掛かり方が本来は自然であるという事を念頭においてもらいたいです。

 

つまりはセンドリターンに繋ぐ事でディレイや空間系本来の効果をより良く得れます。

 

ボリュームペダルによる効果の違い

 

直挿しとセンドリターンの違いとしては、もう一つわかりやすい効果のものがあります。それはボリュームペダルです。

 

「エフェクターじゃないの?」って思う方いると思いますが、使い方を分かっていれば効き目の効果は絶大です。この事に関してはいずれ個別に説明したいと思います。

 

まず普通にセンドリターンを使わずに繋いでいくと順番としてはギターの次にくる形になります。この場合その後の繋がるエフェクター、例えば歪み系のエフェクターとしましょう。

 

一例ギター⇒ボリュームペダル⇒歪み系エフェクター⇒アンプ

この場合はボリュームペダルを使用すると音を絞ると音量が下がると同時に歪みも弱くなりますので、プレイヤーがギター本体のボリュームノブで歪み具合やボリュームを調節する効果と同じになります。

 

次にセンドリターンを使用するとどうなるか?

 

ギター⇒歪み系エフェクター⇒アンプ(プリ部)⇒ボリュームペダル⇒アンプ(パワー部)⇒スピーカー

 

この場合は効き方としては歪系の質は変わらずに単純にアンプのマスターボリュームの様な効き方になりますので、ボリュームのみを変化させる時には綺麗にボリュームだけが変化するような効き方になります。なので歪みの深さを変えることなく曲中で音量変化を行いたい方にはこのセンドリターンの使い方が適しています。

 

これはどちらが良いと言うわけではなくセンドリターンに繋いだ際の効果の違いですので、使いたい効果がどちらかにより変わってきます。

センドリターン注意点は?

繋ぐエフェクターの種類

まずは気を付けるのは種類を気にせず色々な効果のエフェクターをセンドリターンで使用するのは注意が必要です。なんでもかんでもがセンドリターンに繋いで効果的という訳ではありません。イコライザーやワウペダル等も個人的には良い効果だとは思いません。

 

レベルには要注意

機種によっては端子の近くに+4db(デシベル)と-20db(デシベル)の切り替えが出来るスイッチがあるのだがこれは使用するエフェクターのレベルを表しています。

ここを間違えるとレベルが極端に変わりエフェクト側は普段のインプットレベルのはずが、下がりすぎてしまっていたり、高すぎてクリップやノイズの増加や急な大音量によるアンプ側の破損等にも繋がりますので、空間系やラックタイプの取扱説明書等の方はしっかりとチェックしておきましょう。

 

シールドの接続は?

 

ここは直列、つまりギターから順番にアンプまで繋ぐ場合と違いシールドの本数や引き回しが少し面倒になります。どのようなサウンドシステムを組むかにもよりますがセンドリターンの端子を経由するので、繋ぐものが多い場合は繋ぐ前にメモ等に配線の経路を書き出してみるのが良いかと思います。

 

シミュレーターとの接続の場合

最近使用している方も多いと思いますが、アンプシミュレーターの搭載された機種等(Fractal、LINE6、kemper等)の場合はセンドリターンのリターンへの直挿しを使用する事をお勧めします。こちらはアンプの通常のインプットを使わずに各種シミュレーター搭載機種からリターンへ直接入力するやり方です。

 

このやり方ですと、使用するアンプのプリ部を通さないのでパワー部だけを使用して使う事が出来ます。こうしますとシミュレーターで作ってある音をパワー部でそのまま出力するだけなので、シミュレーター本来のポテンシャルがそのまま使用できます

つまりライン録音等で使用する際のシミュレーターから出力されるサウンドに近い状態で使える事になります。厳密に言ってしまうと繋ぐパワー部の特徴を受けるので多少は機種により変わってきますが。。。。ほぼシミュレーターのとしての機能は活かせます。

 

この場合アンプによりマスターが効く機種とシミュレーター本体の方だけで音量を調節する機種で分かれますので、シミュレーターの音量は少しずつ上げていきましょう。

 

オーディオライクな質感で使いたければローランドの「JC-120」等のステレオ出力可能かつ癖のないパワー部を持つ機種だとシミュレーターでの音作りがそのまま出しやすいので試してみてはいかがだろうか?

 

更に言えばステレオ出力の対応アンプの場合はステレオ効果のあるエフェクトを搭載した機種を使用の場合は、特に変化がありそのままインプットで接続する時では味わえないような効果を体感できる。

 

具体的にはどういう事かと言うとステレオ仕様のコーラスやディレイ(ピンポンディレイ)等がステレオになると広がり方がモノラル時に比べると段違いになりますので横への広がり、奥行き感共に気持ち良い効果になります。CDをヘッドフォンで聞く時の左右で広がっていく効果を演奏時にも作り出す事が出来きます。

もちろんパワーアンプ単体への使用からスピーカーへの出力させる場合等もシミュレーターのプリ部分だけを使用して中のエフェクターのルーティング(接続方法)をプリ部分の後段に空間系を配置してあげれば問題無くセンド&リターンの恩恵を受けれます。

 

個人的にはチューブのパワー管を使用しているものが好みなので、普段はマーシャルや真空管のヘッド等でのリターン挿しが多いですがw

 

これとは逆にインプットからシミュレーターを入れた場合は、そもそもがシミュレーターで作る音(既にシミュレーター内のプリアンプやキャビネットシミュレーターを経た音)とアンプのプリ部で作る音が重なってきますので、せっかく貴方が作ったサウンドがイメージされているものとは大きくかけ離れてしまいます。場合によってはとても使い勝手の悪い音になる事も。。。。

 

なので基本的にはシミュレーター等で作った音はリターンへ直挿しこれがベストです。


更に言うと前述のシミュレーター内の元々設定してあるエフェクターの音もやはり綺麗に出ます。

 

デメリットは?

ここまで割と良い事ばかりを書いてますがデメリットは?という事になりますが、敢えて言うならばシールドの本数が増えてしまうことや、システムによっては、配線がやや複雑になってしまうことだろうか。

 

しかしながら空間系の効果を最大源に活かしたい方やシミュレーター搭載機種で音作りをメインで行っている方は率先して使用することをお勧めします。ってデメリットあんまり上げれてませんね苦笑

 

まとめ

今回はセンドリターンについて書いてみた訳ですが今まで使ってきて来てない方は今回の記事でアンプの内部の信号がどの様になっているかを踏まえて自身のサウンドシステムに活用してもらえると良いと思います。

 

繋ぐ順番とdbレベルにさえ注意してもらえれば問題ないかと思います。

自信のシステムが複雑な場合は紙などに配線図を書き出しましょう(書くと自分のシステムや今後の拡張する際にどこをいじればいいか分かりやすいので)。

サウンドのクオリティも確実に変わると思いますのでお試しください。

貴方の知識や疑問にお役に立てれば幸いです。

 

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